〈いよいよ本格的な寒さとなってきました。枚方教会の皆さん、お元気でしょうか。新しい年も、この私は心を新たにして一人ひとりに寄り添い、温かい心で関わっていきます。どうぞよろしくお願い致します。〉
新年を迎えたこの頃、病気であっても、不自由な体になっても、どんな時でも、前向きに生きるためには、最も大切なことが何かと考え、神学者ヘンリ・ナウエンの智恵を借りて、皆さんと一緒にいろいろと振り返ってみたいと思います。(参照:「今日のパン、明日の糧」、BreadfortheJourneyヘンリ・ナウエン1997年)
先ず、私たちが、心を新たにするのに最も難しいことの一つは、やはり過去についた心の傷を癒すことだと思います。
「あなたが、私や家族、先祖、友人にしたことは、絶対忘れません。絶対許しません。あなたは、いつか後悔するに違いありません。」と言ったり、少なくとも心に思ったりするものです。
時には、私たちの記憶は何十年も、場合によっては、何世紀もの年を経てまた復讐を呼び続けてしまいます。
過ちについて、ある人を責め続けているうちに、かたくなな心の壁が築かれてしまうことがよくあります。
けれども、使徒パウロのコリントの教会への手紙では、こう語られています。
「キリストと結ばれる人は誰でも、新しく造られたものです。古いものを過ぎ去り、今、新しいものが生じた。これからは、すべて神から出ることです。」(2コリント5:17-18)
実際、私たちには、自分の力で、古い傷を忘れ去ることはできませんが、神にはできます!更にパウロは言っています。
「神は、キリストによって世をご自分と和解させ、人々の罪の責任を問うことがない」と。(2コリント5:19)
それは、間違いなく神の業ではないでしょうか。
しかし、洗礼の恵みによって、私たちは神の働き人となったのです。
なぜなら、世をご自分と和解させられた神は、「和解の言葉を私たちにゆだねられた」(2コリント5:19)からです。
この言葉は、神の名によって古い傷を手放し、別れを告げるようにと私たちに呼びかけます。
これが、私たちの社会が聞かなければならない最も重要なメッセージです。
新しい年を迎え、古傷があるとすれば、神の恵みによってそれに別れを告げ、新たな心で信仰の歩みを前向きに生きていけるように努めましょう。