教皇フランシスコとロザリオの祈り ーカトリック枚方教会信徒 M.K- 河北朝祷会より(2016.10.12 第193回)

エレミヤ書1章5節・10節『私はあなたを母の胎内に造る前からあなたを知っていた。母の胎から生まれる前にわたしはあなたを聖別し諸国民の預言者として立てた。』『見よ、今日、あなたに諸国民、諸国王に対する権威をゆだねる。抜き、壊し、滅ぼし、破壊しあるいは建て、植えるために。』

ご存知のようにフランシスコパパ様は教皇就任されてから、毎日のように世界の新聞を賑わしておられます。あのような行動の力はどこから頂かれるのでしょうか。

私はパパ様の伝記を読んでみてあることを悟りました。どんな素晴らしい働きの活動であっても、そこから祈りに導かれることは殆ど稀だということ、そして祈りの中で主から燃やされて、証し人として世へ押し出されることが活動の原動力となることを。そしてその祈りの最初の大きな体験をフランシスコパパ様はロザリオから始められたと思えるような出来事をこの本の中で見せていただくことができました。

それは1979年、パパ様が43歳でまだベルゴリオ神父と呼ばれて、イエズス会の管区長をされていた時の出来事です。その前年に教皇に就任された聖ヨハネパウロ二世の先唱でルルドで大勢の司教様方とのロザリオの祈りに参加されていた時、祈りの途中でベルゴリオ神父様は時間が止まったような気持ちになり、教皇様がその子供時代に歩き始めた道のすべてを今この時に体現していることを感じたと記しておられます。

アベマリアの祈りを繰り返し唱える教皇様の背中を見ながら、その人生の中に聖母マリアの存在を見られたのだそうです。そしてグァダルーペの聖母が聖ホアン・ディエゴに語った「恐れなくてもいいのです。私はあなたの母ではありませんか、あなたは私のマントに包まれているのではありませんか」という言葉の重みを不意に理解したのです。

神父様はその時から毎日ロザリオの15の神秘を唱え続けておられるそうです。教会を導くために選ばれた二人の偉大なお方の霊魂がアベマリアの祈りのうちに響きあった恵みの瞬間でした。そしてその2年後の1999年、ブエノスアイレスで催された「カリスマ刷新の祈りの集い」に参加し、ミサを捧げて聖体とカリスを掲げた時に聖霊の恵みを感じて、それ以来超教派の祈りに参加されるようになりました。

そして2013年5月末、教皇に就任されて2か月半経ったある日、バチカンへ以前からブエノスアイレスで一緒に祈りの集いをしていた福音派の牧師さんたちが訪れました。そのうちのひとりの牧師さんが話されたそうです。「ホルヘ(フランシスコパパ様のお名前はホルヘ・ベルゴリオ)、私は昨夜あなたへの『み言葉』があるなら、私にお与えくださいと主に祈ったのです。」そしてそのみ言葉を読み始めたのです。エレミヤ書1章です。

ところがそれを聞いてフランシスコパパは笑って言われました。「じゃあ、今度は私に何が起こったかを話そうかな」と言って次の証しをされたそうです。それはコンクラーベ(教皇選挙)に参加するためにブエノスアイレスを出発する二日前、よく共に祈っていた福音派の信者さんがやってこられて、こう言ったということです。「神父様、実は昨日、私はあなたのために祈っておりました。すると神からみ言葉をいただきました。エレミヤ書第1章です。」毎朝4時に起床して祈られ、祈りの中で神のみ旨を悟り、実行する力を頂かれているパパ様は私たちの確かな指導者です。