ときには急いで、ときにはゆっくり
-今までの学びを活かして-
クラレチアン宣教会  フリオ神父

日ごとに寒さが増しています。枚方教会の皆様、いかがお過ごしでしょうか。

年末を含め新しい年も、これまでの出来事を振り返り、気持ちを新たにして、一人ひとりに寄り添いながら過ごしていきたいものであります。どうぞよろしくお願い致します。

2020年は、本当に大変な年でした。至るところで、新型コロナウイルスの感染症を防ぐために、換気や手洗い、公式ミサを再開する際にも気を配り、祭壇、朗読台、ベンチ、ミサ道具の一個ずつまで毎回消毒する日が続きました。

感染防止の措置だけでなく、小教区の現場で感染が発生した場合、国から各地方自治体(保健所)に通達・指導が入ります。

結局は、教会全体から個々まで、日々の生活の中で、多くの業務に加えての細やかな感染対策に追われ、頭が下がる思いでいっぱいです。

信徒の皆様の、心も体もコロナ疲れでいるのではと心配しています。

しかし、こんな状況でも、私には、これまでの歩みからの学びがたくさんあった年です。

枚方教会の皆様におかれても、これから生きていく上で、きっと気づきや学びの多い年だったことでしょう。

この原稿ではすべてを伝えることが難しいですが、二つだけについて、共に振り返ってみたいと思います。

一つ目は、「どんな大変なときがあっても、周りからの支えがあれば、人はそれを乗り越えて成長ができる。」

コロナ禍になってからは、今までと違って過ごし方や生活リズムなどが大きく変わり、本当に自分一人で生きていけないなと。

周りからの支えがあってこそ、今、自分があるのだと実感いたしました。

ですから、この場を借りて、三位一体である神様をはじめ、自分の家族、共同体、友人、教会の信徒、幼稚園の職員、仲間の外国人の多くの方々には、お祈り、励みの言葉、アドバイス、何らかの形で日々導き支えられてきたので、何とか乗り越えていく力が身に付いた気がします。

やはり、色々な面で自分の成長にもつながる貴重な一年でした。感謝の気持ちでいっぱいです。

二つ目は、「ときには急いで、ときにはゆっくり。」

この言葉は、川上与志夫先生が書いた日本の諺・名句に関する本の題名で約10年前に読んだものです。

2020年3月に新型コロナウイルス感染症における「緊急事態宣言」が発表された以降、今までの当たり前の生活は、その当たり前が出来なくなりました。

そういった中で、国の指示・要請・対策を職場に下ろし明確にさせるのに、一つ一つに適切な対応をしないといけないとき、川上先生の一言を思い出し、非常に参考になったのです。

しかし、あらゆる課題にはいつどんなとき、速やかに動かないといけないのか、早急に手を打って行動をとるべきなのか。

いつどんなとき、頭を冷やし余裕を持って、計画的、そして又、継続的に考慮をしていかなければならないのか。

その違いを見分けるために、やはり自分一人では無理です。

さすがに自分の周りからの支えが改めて必要となりますので、聖霊の導きによって、これからも、皆様と共に歩み続けたいと思います