カトリック教会の将来を考える
新たな形で開かれるシノドスに向けて
クラレチアン宣教会 フリオ神父

空が澄み清々しい秋を感じるこの頃です。

枚方教会の信徒一人ひとりが散歩のときでも、お家の窓から眺めていても、この美しい季節が与えてくれる自然の恵みと出会って、日々心の喜びと希望となるよう、心静かに祈りつつあることでしょう。

コロナ禍の2年目であっという間に11月に入り年末も近付いてきている今、「カトリック教会の将来について」皆さんと共に少し振り返ってみたいと思います。

10月中旬に、2023年に開かれるカトリック教会の「シノドス」という世界代表司教会議に向けて、教皇フランシスコは、今までにないやり方・進め方について語られていました。

「シノドス」とは、馴染み深い言葉ではないので、その意味をまずお伝えします。

「シノドス」とは、「共に歩む」(WalkTogether)という意味のギリシア語で、一定時に会合する司教たちの集会のことです。

教皇と司教たちとの関係を深め、信仰及び論理の擁護と向上、規律の遵守と強化のための助言をもって教皇を補佐するために開かれます。

また、そこでは世界における教会の活動に関する諸問題が研究されます。(参照:日本カトリック中央協議会サイト)

これに関して、今までと違うところは何かと言いますと、教皇フランシスコが、このシノドスに向けて、世界代表司教だけの発言を聞くのではなく、小教区をはじめ、教区全体、すべてのエリアから、カトリック教会メンバー一人ひとりを対象に幅広い調査を実施するようにと呼びかけられていることです。

そうするなら、教会の歴史の中で初めて、この新たな形で開かれる大きな出来事を起こそうとしている事になります。

結局は、私たち一人ひとりの信徒に向け、教会の将来に係るあらゆる課題や問題についてどう考えているのか、どう読み取っているのか、みんなの意見を挙げる機会となる事になるでしょう。

具体的な例で言うと、「教会における女性の役割」や「社会的に少数派と位置付けられるマイノリティ・グループの苦難」などを『みんなで』考えて識別する事です。

この便りが耳に入ったとたん、実は目を見張るほどでした。

きっと教会内では、喜んで大賛成する人がいれば、全く正反対の意見を持つ人がいるのではないかと気になりました。

しかし私的には、みんなが賛成して、反対して、どちらにしても、とにかく聖霊の導きに生かされて、教皇フランシスコがこのように動き出していると信じています。

確かに長期にわたってカトリック教会の「階層制」実態が錆びてきてしまい、なかなか信徒の声を聞かない教会になりがちでしたが、今度、SInodalChurch「教会の会議制」の方向に変わるならば、間違いなく主イエス・キリストが望んでいたKoinonia(交わり)・Diakonia(奉仕)・Kerigma(福音宣教・宣言)をそれぞれ自分のものにして、喜んで共に歩んでいく信徒ばかりになる事でしょう。

枚方教会の皆さん、2023年のシノドスの開催に当たって、教皇フランシスコをはじめ、代表司教、そして、カトリック教会である我々が聖霊の導きによって、キリストの教会らしい家族となり、全世界と手を繋いでより明るい将来へ向かっていけるよう、願いを込めて祈りましょう。