典礼と色 祭服の色の意味
長崎壮神父

カトリック教会の典礼、聖堂の装飾には私たちの目を通して訴えかける様々なしるしがあります。

そのひとつが典礼暦に応じて用いられる色です。

皆さんの目につくものは、司祭の祭服の色と祭壇上の朗読台に掛けられている朗読台カバーの色の変化でしょう。

司祭はアルバと呼ばれる白い祭服の上に典礼暦によって色が変わるカズラという祭服を着ます。

カズラの色は主に白・赤・緑・紫・黒の五色あります。

白は神聖さとともに喜びを表す色であり、降誕祭から始まる降誕節や復活祭から始まる復活節など、また聖母マリアの祝日や殉教者ではない聖人の祝日に用いられます。
赤は炎と血のシンボルです。

赤が血(殉教)のシンボルであることはわかりやすいのですが、炎のように燃える神の愛を表し、炎のような舌の形で使徒の上に下ったという聖霊降臨の祝日のミサに使われます。

緑は自然界が厳しい冬から起き上がり地上をいろどる時のシンボルであり、永遠の生命への希望を思い起こさせる色です。

典礼暦の中で特別な季節ではない〝年間〟と呼ばれるサイクルの時に用いられ、一年間で一番よく使われる色です。

紫は贖罪や準備期間を表現しますから待降節や四旬節といった期間に用いられます。

黒の祭服は通夜の時に用いられますが、枚方教会にはありませんので紫で代用しています。

通夜の時には黒や紫を使うのに、翌日の葬儀の時には白い祭服を使うのは、天上の神聖さとともに希望を表すためです。

死というものを永遠の命への門出として捉えるキリスト教信仰の本質がよく表現されています。

これら五色に加え、待降節第三主日や四旬節第四主日には紫に変わってバラ色の祭服を用いてもいいとされており、その目的は贖罪の期間にあってその先にある来たるべき喜びを表現するためです。

ただ、枚方教会にはこの色の祭服はありません。

なお、数年前から枚方教会では朗読台カバーが整いました。

朗読台にカバーを掛けることの意味は、〝みことば〟における神の現存を表現するためです。

典礼における目に訴えるしるしは五感を伴っての典礼参加に役立ちます。

皆さんにも典礼の色にも注目してミサに参加されることをお勧めいたします。