愛に燃えている人 アントニオ・フラデラ神父

今月の24日はアントニオ・マリア・クラレットのお祝い日です。10月はまたロザリオの聖母の月でもありますから、マリアの汚れなきみ心の子であるクラレチアンのメンバーとして、 真の宣教者の姿をクラレットの霊性のうちに眺めてみることにしましょう。

そこでまずクラレットの著作が使われている読書課の第二朗読に美しくまとめられていることを発見しましたのでご紹介したいと思います。「キリストの愛がわたしたちを駆り立てている(2コリント5・14)という使徒パウロの言葉のとおり、 聖霊の火に駆られて、聖なる使徒たちは全世界を駆け巡り、同じ火に燃えて宣教者たちも神のことばを地の果てまで告げ知らせています。

キリストの愛は、わたしたちに走るように、また、聖なる熱情の翼で飛ぶようにと励まし、駆り立てる。真に神を愛する者は隣人をも愛する。真に使徒的な熱意に燃える者は同じく愛する者であるから、その愛の度合いはいっそう高く、この世においても、 神がよりいっそう知られ、愛され、仕えられるように望み、そのために全力を尽くして努力する。この聖なる愛はとどまるところを知らないからである。

隣人に対して同様にふるまい、そのすべての願望と努力の的は、だれもがこの地上では喜びと満足を得、 天国においては限りなく幸福になること、すべての人が救われること、永遠に滅びる者が一人もいないこと、 神に背く者、ただの一瞬でも罪のうちにとどまる者のないようにということである。これが聖なる使徒たちや使徒的精神に駆られたすべての人々に認められるところである。

わたしは心に銘記したい。マリアの汚れなきみ心の子は、愛に燃える人、どこへ行っても「愛の炎」を燃やす人であり、 すべての人が神の愛の火に燃えるようにと望み、全力をあげてそうなるように尽くす人であることを。何事にも力を落とすことなく、欠乏を喜び、労苦を惜しまず大胆に困難に立ち向かい、悪口非難を笑い、 困苦の中で喜ぶ人、どのようにしてイエス・キリストに従おうかとそれのみを考え、 神の栄光と人々の救霊だけを絶えず心にかけ、祈り、働き、忍耐によって主にならおうと努める人であることを。そして、すべての信徒もまたこの同じ霊性のうちにあって、愛の火に燃やされてみことばを証しするように招かれているのです。