看板から広がる世界

枚方教会の長い階段の下にある青い看板があるのをご存知ですか?私は毎朝ミサに通っていましたが、心に留めて見るようになったのは最近の事です。

これは、田中家のむくの木を示す看板なのですが、昨年の終わり頃、野崎観音の梵鐘の内部にある十字について色々調べてみるうちに、このむくの木の近くで鋳物工場を営んでいた田中鋳物工場が、野崎観音や龍尾寺の梵鐘を作っていたことを知りました。

枚方市内には唯一、渚の院(廃観音寺)に田中鋳物工場で作られた梵鐘が

残っているのですが、その梵鐘の内部にも十字がありました。鋳造の時の印?隠れキリシタンと関係のあるもの?と想像は膨らみます。今は工場は廃業され、藤阪の王仁公園近くに枚方市立旧田中家鋳物民俗資料館として公開されています。

渚の院の梵鐘の十字架
渚の院の梵鐘の十字架

この間、初めて行ってみると、梵鐘の作り方だけでなく様々な日用品を作っていた事が分かる楽しい施設でした。鋳物の体験教室やステンドグラス工房もあるようです。学芸員の方にお聞きすると、梵鐘の十字についても調べているそうですが、他の鋳物師さんに聞いてもわからない、謎…ということでした。

むくの木は今も残っていて、高台から教会を見下ろしています

寄稿者(T.F)