長崎中村大司教に絡むある信者の生涯
マリア M・T

これは、今から6、7年前に友人から聞いた実話です。

ある片田舎のカトリック信者の家で生まれ育ち、幼少期を甘えて過ごし、中学を卒業して何の技術も能力もないまま親元を離れ都会に出てきた。

そこで多年の辛苦を重ねることになった。

その苦難生活の中、とうとう病気になり病床生活。

ある日危篤になり、それを知った知人が中村神父様に知らせた。

それを聞いた神父様は何はともあれ、何もかも振り切って病院に駆けつけ、病者の塗油の秘蹟を授けて下さったと。

その病人は、暫くして臨終を迎え、安らかな眠りの中静かに息を引き取り、生涯を終えこの世と別れた。

中村神父様が葬儀のごミサを捧げてくださり、参列者も多くいたそうです。

葬儀の後、親族が神父様にお礼に行った時、神父様が「あの人はいつも隅の方に座ってミサに与っているのを、僕は見ていました」と話してくださったのを聞き、親族は涙・・・、「きっとあの子は貧しい生活で、ご聖体を受けられないと、隅の方でごミサに与っていたんだわ・・・」と涙。

これは先にも書いた6,7年前のこと。

本年2月23日大司教着座式があり、あの時の神父様が・・・、中村神父様が大司教になられたと親族は大感激。

日頃から中村神父様を良く知る人たちは、「あの中村神父様は大司教になるべき神父であった、なるべきお人がなった」と、称賛しているとのことです。

中村大司教様のご着任を祝し、ご活躍を祈りながら――。

私共老夫妻も、この世との別れも近い88歳と86歳、どのような臨終を迎えるのでしょうか?・・。

主のみ旨のままと祈るだけ。

【カトリック長崎大司教区ホームページからの抜粋】

昨年12月28日教皇フランシスコにより長崎大司教に任命されたペトロ中村倫明大司教の着座式が本年2月23日(水)10時30分から浦上司教座聖堂でのミサの中で執り行われ、これによって、中村大司教が第10代長崎大司教(教区長)に就任した。

着座式ミサは新型コロナウイルス感染拡大防止のため参列者を制限して行われた。

浦上教会の大聖堂には、中村倫明大司教、髙見三明名誉大司教、駐日教皇庁大使レオ・ボッカルディ大司教、司教・司祭団、修道者、信徒、来賓、また聖歌隊などの奉仕者を合わせ約3百人が集まった。

着座式ミサの様子は、参加できない方々と同じ時間を共有するためにインターネットを通じてライブ配信された。

長崎教区にとって着座式は、2003年12月に行われた髙見大司教のとき以来、約18年ぶりの出来事。

〝コロナ禍〟の中、多くの方々と共に喜びを分かち合うことが難しい状況ではあったが、さまざまな方面からの協力と祈りによって支えられ、無事に記念すべき一日を終えることができた。