主イエスの受難と復活を祝って 主任司祭ハイメ・シスネロス

教会は、復活祭を迎える前に、聖週間と過越の聖なる三日間の典礼を捧げます。それはキリストの生涯の主な出来事を記念し、キリストの救いの恵みに与ります。年に一度しかない大切な典礼であって、今年も新たな感動を覚えさせる恵みに出会いたいと思います。

4月9日は『主の受難』(枝の主日)で、その木曜日は『最後の晩餐』の記念ミサがあります。金曜日『主の死』にはミサはありませんが、典礼が捧げられます。土曜日の夕方までは一日の沈黙を守る日で、 その夜は『復活徹夜祭』の典礼とミサが行われます。4月16日は『復活の主日』です。一人でも多くの方が参加されるように祈ります。なお参加出来ない方々のために祈りの支えを送る勤めを致します。

三つの質問をたてました。

1、『どうしてイエスは殺されたのでしょうか』イエスが殺されたのは、イエスの生き方と、人々に対する係わり方の故です。イエスは命を大切にし、病人や悪霊に取り付かれた人々を解放します。疎外された者(婦人・子供達など)を温かく迎え、 罪人と一緒に食事をします。仕える精神を持って生きる方で、弟子たちにその価値観を教えます。そして、祈りと宗教行事が相反しない秘訣を教えます。『真理と霊によって礼拝』する時が来たと教えます。だから、イエスの使命を理解しない宗教的な立場の指導者たちは反感を抱き、イエスのいのちを狙い、イエスの使命を理解しませんでした。

2、『なぜイエスはいのちを捧げましたか』御父のみ旨を果たし、すべての人の救い主となるため。「わたしは自分の命を捨てる。再びそれを得るためである。それで、父はわたしを愛してくださるのである。」(ヨハネ10:17)。イエスは、死に至るまで従順であり、それによって人間が生まれ変わり、神に近づく道を示したのです。「イエスは人々にこうお話しになった。『わたしは世の光である。わたしに従う者は、決して闇の中を歩くことはない。それどころか、いのちの光を得る。』」(ヨハネ8:12)。良い牧者のキリストとなるためです。

3、『イエスの復活の意味は何ですか』初代教会の信者たちはイエス・キリストの生涯(死を含む)の中、最も大切な要素は復活だと理解したのです。御父は主を復活させました。すなわち、神は主の復活によって、「死」「エゴ」「鞭打ちする者」ではなく、『いのち』『愛』『罪のない者』を選ばれました。ご復活おめでとうございます。