『イエスのみ心』の月 日々のことばでイエスの愛を深めよう  主任司祭 シスネロス・ハイメ

有名な人なら、その人の日々のことばの書物を誰でも興味深く読みます。カトリック教会は毎日のように、イエスの福音を伝えて、信者の心の隙間にある渇きを満たすのです。

6月は、大自然の観点からみれば、春が終わり夏が始まる時でもあります。典礼的な側面の豊かな月です。例えば、六月はイエスのみ心の月と呼ばれるだけではなく、イエスのみ心の祭日は六月に当たります。その祝いはキリストの聖体の祭日の次の金曜日と定めています。

さて、『イエスのみ心』の伝統的なイメージがあることは、皆様存知の通りです。傷を受けたイエスの姿、茨を被せられた頭、十字架上のイエス、そしてイエスの愛を示す炎などです。人々をそれほど愛された方で、全てを与え尽くされました。イエスの教えも、行った奇跡も、ご聖体も、自分のお母さん聖母マリアも、人々に与えて下さったことを思い起こすお祝いです。

「イエスご自身が聖マルガリタ・マリア・アラコクにお現われになり、ご自分の心臓を指さしながら、『この心をごらんなさい。人びとを愛するあまり、みずから燃やし尽くすまで惜しまず与えたわたしの心を・・・。それなのに多くの人びとから侮辱と忘恩しか受けないのです。』と嘆かれた。

こうして〈愛にてまします神〉は人びとから愛されたいと望むあまり、この名も無い貧しい少女の献身的な勇気を見込んで、これに『み心の信心』を全世界に広めるという大切な事をおまかせになった。」(教会の聖人たち、池田敏雄司祭より)。

今年は6月23日が「イエスのみ心」の祭日です。また、初金曜日の取り組みは、主にキリストの愛に応える運動でもあります。6月、1日毎にテーマや聖句を選んでイエスの愛を深め、イエスが喜ぶ兄弟的な交わりの新たな挑戦をしませんか。例えばイエスの姿に親しみを覚えるように、み心の姿やイエスからのプレゼントを順番で黙想する等。または、救いの元であるイエスを信じる者として、次のようなテーマを考えた上に、その実践に取り組むという過ごし方も考えられます。

『人権』について調べて、すべての人は神の愛によって存在するとの新たな確信を持つこと。『誘惑』があることを忘れないで、自分にとって課題となる点を賢く見分けてみること。『祈りの価値』を認め、具体的な方法で祈りを深めること。『子どもや青年』に関わって、イエスの行動を思い起こすこと。『実りのある行い』として、イエスが望んだ最も小さい者にすること等を工夫してみてはどうでしょうか。