スペイン・ルルド巡礼 グァダルーペ列福式と 聖ホセマリア・エスクリバーの足跡を辿る巡礼 寄稿者O.H

私の家族の歴史は巡礼の歴史です。父と母は新婚旅行で4週間のヨーロッパ巡礼をしました。私が生まれ、妹が生まれ、家族の喜びは大きくなりました。と同時に、困難に出会った時、大病をした時、別れを経験した時、いつも祈りの中で物事を見て、うまく乗り越えられたあとは必ず巡礼に出かけました。マリア様に感謝の祈りを捧げるためです。


今回、酒井補佐司教様と一緒にスペイン・ルルドへの巡礼に出かけようと思ったのも家族の節目にしたかったからです。


2年半前に52歳で急逝した父と共に、「日常生活の聖人」聖ホセマリアの足跡を辿りながら、この世の真只中で聖性を求める生き方を探したいと思いました。

全ての人が聖性に召されているとはどういうことなのか。修道者でない、殉教者でもない、一般信徒が本当に聖人になれるのか。

その答えは、マドリードで参加したグァダルーペの列福式で見つけました。グアダルーペ・オルティスという女性は、聖ホセマリアから様々なことを学んだそうです。神様の望まれるように生きる、深い信仰と豊かな内的生活を基盤として、女性たちや困窮している家族の教育と発展に力を注ぎました。

彼女は化学者でもありました。1975年に59歳で亡くなるまで、日々の生活の中でキリストと出会い、自分の仕事を聖化し、病気を超自然的に捉え、もう一人のキリストになる戦いをした人です。ごくごく普通の信徒でした。


列福式には世界中から何万という人が集まりましたが、深い家族的一致が感じられ、喜びにあふれていました。沢山の信徒がゆるしの秘跡にあずかっていました。老若男女、職業や立場の違う人達が皆家族を大切にし、熱心にごミサにあずかり祈る姿に感銘を受けました。

全ての人が日常生活の中で聖人になる方法をこの目で「見た」ような気がします。例えば、人の悪口を言わない、朝決まった時間に起きる、守護の天使と深く付き合う、こんな小さな戦いが聖性の道の一歩になるのだとわかりました。


恵みをたくさんいただきました。父はもうこの世にいませんが、これからも家族の巡礼の旅は続きます。