イエスのたとえ話  ーカトリック枚方教会信徒 T.Kー 河北朝祷会より(2016.12.8 第195回)

私は現役時代マーケティング(市場政策・市場開拓)の仕事をしたことがあります。その頃に読んだ本の中に興味深い話がありました。イエスは歴史上最高の市場開拓者である、イエスはたった3年間の宣教でその教えが2千年も続き、多くの信者を獲得した。

その理由は、「発想の転換」と「たとえを用いた分かり易さ」で、マーケティングの基本はここにあると言うのです。イエスは「人々の聞く力に応じて、多くのたとえで話された」(マルコ4章33)のですから、たとえ話は分かり易くするためであることは疑いありません。 “イエスのたとえ話  ーカトリック枚方教会信徒 T.Kー 河北朝祷会より(2016.12.8 第195回)” の続きを読む

いつくしみいつまでも  長崎 壮神父

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めぐみ深い神のいつくしみの特別聖年が幕を下ろしました。この一年間、教皇フランシスコは折に触れて神様のいつくしみのさまざまな側面についてお話をされてきましたが、 神様のいつくしみの姿として私の心に深く染み透ったのは私たちひとりひとりを探し出してくださる姿でした。

特別聖年の間、主日の福音ではルカ福音書が読まれ、その中で「放蕩息子のたとえ」や「見失った羊のたとえ」といった、 見失ったものを見つけて喜ぶ神様の心を表すたとえをあらたな心で読み返し黙想する機会が与えられたこともありますが、 それとともに忘れかけていた家族とのごく小さな出来事を鮮明に思い出す恵みをいただけたことも一助となりました。 “いつくしみいつまでも  長崎 壮神父” の続きを読む

大阪女学院の沿革と精神 ー同学院業務部職員ー 河北朝祷会より(2016.11.10 第194回)

11月10日大阪女学院と言えば、歴史的にも中学校・高等学校が有名ですが、今回は大学・短期大学の教育についてお話しします。今朝の聖書の個所(フィリピの信徒への手紙第1章9~11節、コヘレトの言葉第3章11節)は、礼拝形式で行われる大学・短期大学の入学式と卒業式で読まれる聖書の個所です。特にフィリピの信徒への手紙は、本学のミッションステートメントに定めた教育内容・目標と密接に関連しています。 “大阪女学院の沿革と精神 ー同学院業務部職員ー 河北朝祷会より(2016.11.10 第194回)” の続きを読む

霊性を目指す  主任司祭 ハイメ・シスネロス   

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どんな季節でも、誰しも心身を鍛えて穏やかな自分になりたい望みがあります。『秋』の過ごし方で、信仰者に相応しい三つのことに取り組んではと思います。

一つ目は、神から頂いた体を大事にし、栄養バランスを取ることと軽い運動の外に深呼吸をすることです。その際、空気を吸いこむとき『力を感じて』、空気を吐き出すとき『身体の疲れを和らげる』と良い結果を感じ取れます。

二つ目は、祈りですが、『射祷』を唱えるように工夫をします。例えば、『御父、神よ、そのいつくしみに感謝します』。『主イエスよ、み名を賛美します』。『聖霊よ、わたしの心を満たして祈らせてください』などと唱えます。また、静かな時間を過ごし、『座っている姿勢』を意識します。

三つ目は、『楽しめる読書』です。例えば、新約聖書なら福音書を、旧約聖書なら詩篇を、毎日一章(一つ)ずつ読むことを薦めます。そうすると、神やイエスに対し、憧れを感じたり、信頼を深めたりする実りが得られます。 “霊性を目指す  主任司祭 ハイメ・シスネロス   ” の続きを読む

教皇フランシスコとロザリオの祈り ーカトリック枚方教会信徒 M.K- 河北朝祷会より(2016.10.12 第193回)

エレミヤ書1章5節・10節『私はあなたを母の胎内に造る前からあなたを知っていた。母の胎から生まれる前にわたしはあなたを聖別し諸国民の預言者として立てた。』『見よ、今日、あなたに諸国民、諸国王に対する権威をゆだねる。抜き、壊し、滅ぼし、破壊しあるいは建て、植えるために。』

ご存知のようにフランシスコパパ様は教皇就任されてから、毎日のように世界の新聞を賑わしておられます。あのような行動の力はどこから頂かれるのでしょうか。 “教皇フランシスコとロザリオの祈り ーカトリック枚方教会信徒 M.K- 河北朝祷会より(2016.10.12 第193回)” の続きを読む

愛に燃えている人 アントニオ・フラデラ神父

フラデラ神父

今月の24日はアントニオ・マリア・クラレットのお祝い日です。10月はまたロザリオの聖母の月でもありますから、マリアの汚れなきみ心の子であるクラレチアンのメンバーとして、 真の宣教者の姿をクラレットの霊性のうちに眺めてみることにしましょう。

そこでまずクラレットの著作が使われている読書課の第二朗読に美しくまとめられていることを発見しましたのでご紹介したいと思います。「キリストの愛がわたしたちを駆り立てている(2コリント5・14)という使徒パウロの言葉のとおり、 聖霊の火に駆られて、聖なる使徒たちは全世界を駆け巡り、同じ火に燃えて宣教者たちも神のことばを地の果てまで告げ知らせています。 “愛に燃えている人 アントニオ・フラデラ神父” の続きを読む

この病は死に至らず ー日本基督教団 森小路教会 牧師ー 河北朝祷会より(2016.9.18 第192回)

エルサレムからそれほど遠くないところにベタニアという村があり、そこにマルタ、マリア、ラザロという兄弟姉妹がいました。イエス様は彼らととても親しくしておられたようです。マルタとマリアについては、ルカによる福音でもその性格の違いが記されているところがあります。

行動的、積極的なマルタに対して、静かで話を聞くのが好きなマリアはここでも対比されています。今、この姉妹は兄弟ラザロが重い病気になったので、イエス様に来てほしかったのです。そこで人をイエス様のもとに遣わしました。おそらく彼女たち自身が行くよりも、早く伝えられると思ったからでしょう。それほど早く来てほしかったのです。 “この病は死に至らず ー日本基督教団 森小路教会 牧師ー 河北朝祷会より(2016.9.18 第192回)” の続きを読む

天国の預金通帳   長崎 壮神父

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高校の卒業を翌年に控えた春、プロテスタントの教団を母体とする私の母校の敷地に新しい礼拝堂が完成しました。その礼拝堂の立派な外壁の上部に何やらギリシア文字が書かれていて、 落成祝いの式典の中でそのギリシア文字で書かれた言葉が「宝を天に積みなさい」と言う聖句であることを知りました。

先ごろ日曜日のミサの福音がたまたまこのみことばに当たっていたので、 説教の準備をしながらあらためてこの聖句のこと、高校時代のことを思い出していました。 “天国の預金通帳   長崎 壮神父” の続きを読む

教会はみなさんのもの 主任司祭 ハイメ・シスネロス

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第二バチカン公会議は、教会を「キリストの体」と呼んで、教会は「秘跡」であり、「神の民」だと述べました。「神の民」という呼び方の人気の理由は二つあります。

一つは18世紀から西洋の世界に生じて来た民衆的な価値観に一致していること。もう一つは聖書の中で、イスラエルを「神の民」と呼び、教会は「新しい神の民」だというイメージです。その他に新約聖書では、「神殿」と「キリストの体」という教会のイメージが挙げられています。 “教会はみなさんのもの 主任司祭 ハイメ・シスネロス” の続きを読む

私たちはイエスの弟子でありその派遣に忠実でありたい ー主任司祭ハイメ・シスネロスー 河北朝祷会より(2016.7.14 第191回)

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今日の聖句はマルコ3・13~15です。山に登るイエス、山は神と出会える場所。イエスの祈る姿を現しています。イエスは御父と相談し、12人を使徒として選びました。聖書のほかの個所では72人の弟子が派遣されたとあります。ガリラヤからイエスに従った人々が多かったこと、そのなかに婦人たちもいたことは明きらかです。

私は12歳のころ小神学校に入りカトリック司祭を目指しました。毎日ミサに与り、旧約・新約聖書に触れ、特に福音を読んだときはイエス様の存在を強く感じ、イエスの弟子になる準備が進むという恵みを得ました。信仰のイメージを聖書から得ました。それはアブラハムの神に対する信頼と旅をするイメージであり、モーゼに学んだことは解放を目指す霊性、その霊性による多くの障害や囚われから自由になる過程、サムエルからは主の呼びかけを聴くこと、詩篇からは様々な祈りに触れる精神が欠かせないこと等です。 “私たちはイエスの弟子でありその派遣に忠実でありたい ー主任司祭ハイメ・シスネロスー 河北朝祷会より(2016.7.14 第191回)” の続きを読む